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コラム

「紙の歴史」

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?受験生にとっては勝負の夏休みとなっているのでしょうか…私は学生の頃、世界史が好きでした。今でも歴史に興味があります。そこで今回は世界史の授業で聞いたことがあるようなキーワードを使いながら、簡単に紙の歴史について調べてみました。

「パピルス」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?古代エジプトで筆記媒体として使われていました。パピルスは英語の「ペーパー(paper)」の語源でもあります。手作業で1枚1枚、植物の茎から作っていたそうで、膨大な手間と時間がかかる高級品でした。

「羊皮紙」というのも耳にしたことがある方はいると思います。こちらは動物の皮を用いて作られ、パピルスに比べて高い耐久性がありました。中世ヨーロッパの史料が比較的たくさん残っているのは、羊皮紙による記録が残っていたからというのも一因だそうです。

上記の2つは有名ですが、製法からみると現代のいわゆる「紙」とは異なります。ちょっと難しい話になりますが、現代の紙の定義は「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」となります(JIS規格)。水の中で繊維をほぐし、薄く平らな紙の形に成形して乾燥させる、いわゆる「紙漉き(かみすき)」という工程を経て製造されるものが紙とされています。パピルスはこの「漉く」という工程を経ていません。羊皮紙は原料が違います。

現代の紙の原型は、紀元前2世紀ごろに中国で生まれたとされています。少しずつ改良された製紙法は、7世紀の初め頃に日本に伝わりました。日本では独自の改良がなされ、いわゆる「和紙」が生まれました。日本の手漉き和紙技術は、今ではユネスコ無形文化遺産に登録されています。

日本への伝来より100年ほど後の751年、中国の唐とイスラムのアッバース朝がタラス河畔(現在のキルギス)で軍事衝突します。これが「タラス河畔の戦い」です。この戦いで唐の製紙職人がアッバース朝軍の捕虜となり、西方に中国の製紙技術が伝わったと言われています。

イスラム世界を通じて、さらに西方のヨーロッパには13世紀ごろに製紙技術が伝来しました。先述した通り中世ヨーロッパでは羊皮紙が主な筆記媒体として用いられていましたが、徐々に紙が普及していきます。そして15世紀の半ばには、ドイツのグーテンベルクが活版印刷技術を確立します。有名なのは聖書の印刷ですが、この技術によって知識の普及や情報伝達の基盤が出来上がり、紙の需要も増大していきます。

そして18世紀半ばには、イギリスで産業革命が始まりました。紡績・製鉄などの技術の機械化が成功し、工業化が進みます。18世紀末には紙漉き機が発明され、それまでの手漉きに比べ数十倍のスピードで紙を生産できるようになりました。さらに19世紀には原料となる木材パルプを人工的に製造する方法が発見され、紙は大量生産されるようになりました。

以上、ざっくりとではありますが、紙の歴史をまとめてみました。紙の歴史は、人類の情報伝達の歴史でもあります。デジタル化の時代、これからの人類の情報伝達はどう変わっていくのでしょうか。また、歴史を知ることは、今当たり前のようにあることも、様々な過程を経て、理由があってそうなっているという背景を知ることでもあります。みなさんも、ぜひご興味のある事柄について、歴史を調べてみてください。きっと新たな発見や気づきがあり、心を豊かにしてくれるはずです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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